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 同人誌でも本は本ですよねという話。なおこの感想文は自分とほぼ自分と同じ領域でサークル「四面楚歌」の過去刊行物を読まれている方を対象としており、何それと思われるのも当然と思われますがそのへんは黙殺。しかも内容的に非常で不要なネタバレを含むので、このバカとソウルを同調させてやる的な人以外は読むべきでない。


 追いかけ始めたのが『空に楽土求めたり』より後だったせいで、気になって仕方のなかった小説の再販。創想話のころから追っかけていて、死ぬ話と滅ぶ話の名手(というと本人を含めた各方面からおしかりをうけそうだが実際そう思っているのだから仕方がないですごめんなさい)である人比良さん当人に曰く「幻想郷の終末を描く」連作の最初の一つということで。買い込んだ秋葉原から引き上げる電車内で通読。版型が露骨に同人誌ぽくない本はこういうときにいいということで。

 色々と腑に落ちた。具体的に、『幻想夢十夜』の次回予告が、どうしてああなったのかとか。

 

 昔、三文文士を志して挫折した。だから嫉妬半分で、人は書きたいことがそんなにも多くないだろうと思っている。いや、題材の話でなくて、趣味嗜好のベクトル的な話で。書きたいものを書いていいと言われたときに、目の前に無限の選択肢が出てくるようなのは、真性のばけものか何かだろう。そうでなくても、同一テーマで連作という言い方になれば、嫌でも同じ方向を向いている何かがあるだろう――と考えたくもなるわけで。

 立ち向かわなければならないものは、何だろうか。恐ろしいものは、何だろうか。世界の終わりとは、何だろうか。

 世界の終わりがあるということ、終わりがあるということが意味するのは、ハッピーエンドの否定だ。世界は、めでたし、めでたし、では終わらない。終われない。王子様に救われて幸せに結婚したお姫様は、十年もすれば倦怠期になって間男を引っ張り込むだろう。そうでないなら、愛で結ばれた二人はどちらかが先に死ぬだろう。そうでなくても、どこかのなにかのために蜜月は終わりを告げるだろう。竜を退治した英雄は老いさらばえて、だれにも看取られることなく死ぬだろう。高潔な理想で打ち建てられた平和は、腐り落ちて多くの人々を苦しめるだろう。物語は、常に世界という名の壁の前に敗北する。物語は永遠というのは嘘っぱちで、終わった後を見たらお約束が台無しになるから、だれも目を向けようとしないだけだ。セカイ系と笑わば笑え。セカイ系でない物語がどこにあるものか。世界から目をそむけた場所にだけ、物語は成立する。ギンズバーグは常に正しい。

 物語は現実を通り抜けていく。あるいは、現実は物語を通り抜けていく。『永い夜の物語』で描かれたものは、主客を転倒させてはいるものの同じ構造に他ならない。

 どこかの脳梅毒のおっさんが吐いた妄言ではないが、それを受け入れられるならば、確かに何一つ畏れることはない。ただ、物語というものは無価値になってしまうだろうけれども。物語の終わりは、セカイの果てだ。世界には小さな幸せを否定する諸々のものが満ち溢れている。セカイの果てに辿りついてしまえば、物語は朽ち果てていくしかない。意味があると信じるから、物語を動かすことができるのに、「物語の外では、物語の道具立てすべて意味がない」と悟ってしまえば、物語を進めること自体を放棄するか、物語そのものを無効化しようとするか、物語があること自体を無視するか、という、寒々しい三択になってしまう。大人は夢を見ないと嘯きながら、どの道を選ぶかは自分次第。

 オタクの腐ったようなぼくとしては、原体験の一つを思い出すわけだ。昔、そのテーマを真っ向から描こうとした作品があったなと。あのオチは――未だに色々と考えるところがあるから、なんとも言い難いのだけれども。

 とりあえず、蓮子は赤いスポーツカーというより、こげ茶色のミニクーパーとかビートルとかだよなあと思う。BGMはAngelNightとかそんな感じで一つ。
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